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​フォーカシングとは

〈私のフォーカシングとフェルトシフト〉

 あまり聞きなれない言葉と思います。しかし、意外と皆さんが体験されているものでもあります。Gendlin.E.Tという哲学者・臨床心理学者が考案しました。カウンセリングでは、良くなるクライエント、良くなりにくいクライエントがいますが、いったい何が違うのか研究をしていました。違いは「話し方」にあったのです。そして良くなる人の話し方を技法として紹介しています。

1.空間をつくる

2.フェルトセンスを感じる

3.取っ手〈ハンドル〉をつける

4.共鳴させる

5.尋ねる

6.受け取る

フェルトセンスとは

 漠然とこころやからだで感じる、まだ言葉やイメージになる前の、なんとなく感じている感覚のことです。

フェルトシフトとは

 フォーカシングをしてフェルトセンスを取り扱っていると、フェルトセンスのイメージや形が徐々に変化することがあります。それが大きく変化することをフェルトシフトと言い、なんとも言葉で言い表せない体験をすることがあります。

参考:http://previous.focusing.org/jp/6_steps.asp

〈私のフォーカシングとフェルトシフト〉

 初めてのフォーカシングは、一人でお風呂につかりながらやっていました。その時、ちょうど「もやもやした感じ」が胸のあたりにあったので丁度よかったのです。この時は、本当に苦しかったので、早くこのもやもやには無くなって欲しいと思っていました。

 そしてフォーカシングをはじめていきます。私の場合は①空間を作る、②フェルトセンスを感じる、③ハンドルを付ける、④共鳴させるを一緒にやっていたような感じです。≪もやもやしているけど、どんな感じかな?≫と自分に問いかけ≪あぁ・・・黒い丸い大きな塊のようなものか≫とイメージを付ける。≪他に何かありそうかな?≫と他を感じようとすると≪黄色い、中くらいの丸い塊と、青い小さな塊がある・・・。≫と感じていました。正直びっくりです。私の感じていたものは黒いものだけと思っていたら、他にもあったのですから。でもこの時点で、ちょっと心が軽くなっていました。

 そして、出てきたものを並べて眺めてみていました。その後、≪なんで、こんな感じがあるのだろう?≫と自分に問いかけると、それぞれに含まれていたものは悩み事、懸念事であり、それがどんな悩みに基づいたものかハッキリしていくのです。≪あぁなるほど、これはこういう悩みの象徴だったのかと・・・黒いものはこれ、黄色いものはこれ・・・≫。ここまでくるともはや納得感が勝っていて、最初の嫌な感じはもうないのです。

 一通り、意味が分かったので、最後に容れ物にいれて、収めて終わりにしようと思いました。≪どんな容れ物がいいかな・・・ごみ箱ではないな・・・。宝箱も少し違う。≫と考えていて、ふと思いついたのは(実際はもうずっと前に思いついていたような気がします)≪透明な正方形の、アクリルケースのようなものだなぁ≫と思い、やはりそのイメージが一番ぴったりだったので一つ一つ丸い塊を入れていきました。

 このアクリルケース、なんでこれがピッタリか少し考えていました。≪自分にとっては、あまりよくないもの、モヤモヤしていて嫌な気持ちのものだったのに、なぜわざわざ中身のよく見える透明な容器にいれるんだ?≫・・・少しして意味がハッと分かります。≪あぁ違う、逆だ。私は中身を見ていたいんだ。とっても嫌な感情だし、苦しめられたものだけど、捨てたくないんだ。ちゃんと自分のものとして持っておきたいんだ。だからわざわざ中身の見える透明な箱にしているんだ。≫と。これこそがまさに私のフェルトシフトでした。嫌だと、苦しいものだと思っていた自分の一感情が、なんとも捨てがたく愛おしく、宝物のように思えてしまうのです。一人、お風呂につかりながら、ただただ≪あぁー・・・・・・そうか・・・。そうだったのか・・・。捨てたいと思っていたけど、そうじゃないよね。≫なんて少し興奮気味に呟きながら、涙を流しながら、何とも言えない心地よい感情の波に流されていました。

 そうして透明な箱に入れられた宝物は、今でも私の心の中に並べられています。

​                                            文責:舎川 優悟

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